髄膜炎菌ワクチン/メンクワッドフィ筋注
ワクチンが防ぐ病気
侵襲性髄膜炎菌感染症
髄膜炎菌の感染によって髄膜炎や敗血症などを起こします。髄膜炎菌感染症は症状が急速に進行し、無治療であれば死亡率は100%であり、適切な治療をおこなっても死亡率は10~40%と非常に高く、一命を取りとめた場合でも、四肢切断や神経障害などの生涯続く後遺症が残ります。
髄膜炎菌感染症の報告数は、日本では年間40例ほどですが、世界では年間30万人が感染し、3万人がこの感染症によって命を落としています。発生数が多い地域はアフリカ中部の国々ですが、アメリカ、イギリス、中国などでも毎年数百例~数千例の報告があります。
またこの感染症は、思春期に多いことが特徴であり、特に寮生活や運動部など学校内での集団感染も報告されています。
髄膜炎菌は、健康な人の鼻やのど(鼻咽頭)にも存在し、咳やくしゃみによって感染します。
ワクチンの説明
髄膜炎菌感染症は重篤性が高いことや、世界では発生頻度も高いことから、世界各国で髄膜炎菌ワクチンは使用されています。例えばアメリカでは思春期を対象とした定期接種プログラムに入っており、接種率は78%と非常に関心が高いです。
対象者について
・10代の留学生、寮生、国際交流の多い学校の生徒、運動部に所属している生徒
・海外赴任をされる方や帯同する家族 (大人のかたも当院で接種可能です)
・エクリズマブ投与患者、脾臓摘出術を受けられたかたなど易感染状態にある方)
・2才以上で接種できます。
ワクチンの副反応
国内臨床試験では、注射部位反応として疼痛、発赤、腫脹(はれ)が、全身反応として筋肉痛、倦怠感発熱などが報告されています。
出典
・IMD情報センター
http://www.imd-vaccine.jp/
・厚生労働省検疫所 髄膜炎菌性髄膜炎
http://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2015/02041454.html